今日はミニカー日和。。。

のほほんと続けていけたらいいな~♪

Porsche 956 Le Mans 1983

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1970年代と80年代のアメリカンスポーツカーレーシングの世界で、ジェントルマンドライバーの代表的存在としてシーンの牽引役を果たしたのがプレストン・ヘン(1931-2017)です。
今回のモデルはスパーク製のポルシェ956ですが、プレストン・ヘンがフロリダにあるスワップショップ・レーシングチームのオーナー兼ドライバーの一人として参戦した1983年のル・マン24時間レース出場車両になります。


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プレストン・ヘンが設立したフォートローダーデールスワップショップは毎日開催しているフリーマーケットドライブインの映画館からなる施設で、何でも揃う場所として以前から地元住民の間では人気ですが、今ではフロリダ州においてはディズニーランドと並ぶ観光名所とも呼ばれています。
中でも全米1のフェラーリコレクターでもあったヘン所有のスーパーカーコレクションは観光の目玉の1つとされ、特に展示されているフェラーリ275GTB/Cスペチアーレは史上もっとも価値のあるフェラーリと呼ばれていて有名な1台です。
最近になって遺族による売却の可能性についてのニュースも流れていますが、オークションでの予想落札価格は近年に取引されたフェラーリ250GTOの54億円を抜いて120億円になるのではないかと予想されています。
1964年に合計3台だけ製作されたなかの1台にして1965年のル・マン24時間レースでの優勝の来歴もあるこの個体ですが、ヘン自身は自分の死後もスワップショップでの変わらない展示を強く望んでいました。


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1977年から始まったヘンのレーシングキャリアも1983年には頂点を迎えようとしていました。
ポルシェ935Lで参戦した2月のデイトナ24時間レースでは自身のハンドルでチームを優勝に導くと、6月のル・マン24時間レースではポルシェ956に乗って10位で完走しました。

チームのボスとしての成功と同時にドライバーとしても才能に恵まれていたヘンですが、トレードマークのカウボーイハットと口髭を除くと、当時の関係者の間で1番記憶に残っていたのは、彼の支払いがいつもキャッシュオンリーであったことです。
また時にはふくらはぎに数万ドルの現金が入った革のブリーフケースを巻き付けていたこともあったそうです。


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スパークからはポルシェ956、962に関しても毎年かなりの数の新作が発売されてます。
その中でも年に数点だけ見た感じ気に入ったのを購入するのですが、今回は大きく描かれたBPのスポンサーロゴとカラーリングが決め手となりました。
しかしドン・パノス(本人は最後までヘビースモーカーでしたがニコチンパッチの開発、商品化で社会的成功をおさめる。実業家として第一線を退いた後はモータースポーツの世界に関係し、アメリカン・ルマン・シリーズの創設者にして米国の自動車レース統括団体であるIMSA会長などもつとめた)もしかりで、欧米のレースシーンはほんと個人によって支えられているんだと実感した1台になりました。